蠍は留守です考

蠍の輪郭を見つめてふける思惟の痕跡

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情報デザイン・体験デザイン

インクルーシブデザインのこと

この記事は@kazuhito主宰の Web Accessibility Advent Calendar 2017 24日目のエントリーです。 ウェブの世界やフロントエンドエンドエンジニアの間で、インクルーシブデザインという言葉が広まってきたことが素直にうれしい。その反面、ちょっともやもやす…

サービスデザインスプリント再考 ――「問い」の観点より

この記事はこまどりさん主宰の Service Design Advent Calendar 2017 22日目のエントリーです。 ここまでサービスデザインスプリントのことを書く人がいない感じだったので、テーマとして選んでみた。また、最近ずっと考えているフレームワークと問いの関係…

LIVES TOKYO 2017 はたらく・たべる・わらう

2017年9月10日、東京ミッドタウンで行われた LIVES TOKYO 2017 に遊びに行ってきた。自分の周辺ではあまり話題になっていなかったイベントだったのだが、義伯母が、関わっているため、知ることができた。 公式サイトでは、イベントの概要を以下のように説明…

表現を共有するためのことば

友人の個展に行ってきた。版画、特にメゾチントという技法の中で、心象風景を探求している作家だ。 ギャラリーの壁に静かに並んだ作品たちの、しかしフレームの中には動きが溢れているおもしろさ。ていねいにていねいに見つめては見失って、手探りしてはこぼ…

街のしくみが個人の感覚を支配する

真冬を過ぎると、なんとなく落ち着かない夕暮れが増えてゆく。真冬でさえも、夕方は比較的集中しづらい時間だったりする。 街のどこかで17時を告げるチャイムが鳴って、ふと顔を上げると陽が傾いていて、街の空気がおかえりなさいの顔をしている。多くの勤め…

透明すぎると見失う

以前、ある特徴的な建物を目指して歩いていた。その建物は周囲の普通のビルとは違って、ガラス張りでオープンな作りになっており、他と違う個性を持っていると聞いていた。 しかし、歩いても歩いても辿り着かない。同じところを何度も何度もぐるぐるとまわり…

図書館の意義

私は図書館という存在をとても愛している。世の中がどんなにデジタル化しても、インターネットが発達しても、図書館はなくならないでほしいと思う。 もしかしたら古いタイプの考え方なのかもしれない。しかし、蔵書や古文書といったタイプのアーカイブを適切…

過去からの手紙、ポエム駆動アクセシビリティ

このエントリは『Web Accessibility Advent Calendar 2015』の24日目、ポエム担当の Hitoyam です。 自分自身が書いた 2013年の a11y ポエム、2014年の a11y ポエムを受けて、ポエム駆動でアクセシビリティに関わる活動をしている。前を向いて走ってきたので…

仕掛学の trigger categories について考えてみた

このエントリは『UX Tokyo Advent Calendar 2015 - Adventar』の16日目です。 最近になって松村先生の仕掛学の論文を読んだりお話を聞いたりする機会があった。論文の中にも出てくる Shikake trigger categories という分類が興味深かったので、いろいろ考え…

鞄の話

ある鞄屋さんのショールームに行った時、なんとなくつまらない思いをして帰ってきた。好きな工房の鞄なので、楽しみに立ち寄ったのだが。 私は人並み以上に鞄にこだわるタチではない気もする。とはいえ人並み程度にはこだわりがあるので、関心がないタイプで…

グラフィックレコーディングとリアルタイムドキュメンテーション

昨今ではグラフィックレコーディング(GR)やリアルタイムドキュメンテーション(RTD)が注目されている。 文字だけでなく、図やイラストなども使ってビジュアル的にわかりやすく構成し、議論や会議などの流れを視覚化するのがグラフィックレコーディング。…

神保町駅構内の公衆電話

神保町駅構内の某所には、剥き出しの公衆電話がぽつんと置いてある。最近は公衆電話をあまり見なくなったが、昔はこういう形でたくさん並んでいた。 あんまり気にしたことがなかったが、壁から電話線と電源を引いている。今でこそ電源命の毎日だが(ノマド的…

バブルバスの手すり

公衆浴場のバブルバスの湯船で、手すりの形にちょっと感心したことがある。 バブルバスの浴槽というのは、ひとり1スペース的な感じで、湯船の中が手すりで区切られているタイプのものが多い。あの隣り合ってるスペースの間にある手すりが二股というか、ダブ…

「ヤマケン展2014 - 長テーブルから生まれたこどもたち」に行ってきた

先日、ヤマケン展2014にお邪魔してきた。昨年度のヤマケン展もとても素晴らしかったので、行く前から楽しみにしていた。あいにく参加したかったワークショップには間に合わず、残念。 気になったものや素敵なものばかりで、すべてを紹介したいぐらいだけど、…

折れ線グラフという和訳がすごい

どうでもいいことかもしれないのだが、ずっと Line Chart に対する折れ線グラフって和訳はすごい発明だな、と思っている。なんといっても「折れ」のところがすごい。 折れ線グラフ(おれせんグラフ、英: Line chart, Line graph)は、散布図の一種であり、プ…

概念、言葉、ジェスチャー

先日、とあるワークで頭を抱えるほど難しいお題を出された。 「離島の秘祭情報を調べて集める」という内容を、言葉を使わずジェスチャーだけで表現せよ。 これには久しぶりにガツンとくる感じがあった。できない。ジェスチャーで表現、できなかった。ちなみ…

とあるマクドナルドにて

ある日のこと。小用で行き慣れた某所のマクドナルドへピットイン。今のマクドナルドの期間限定メニューはアメリカン・ビンテージ。ふと、いつもより賑やかな壁が気になった。 これ、全部この期間用のアートワークだ。このスペースだけではなく、向こうの方ま…

電子ファインダーと小さな絶望

ミラーレスカメラの電子ファインダーをしばらく使ってみて、小さな絶望を感じている。ファインダーに対しての絶望ではない。こんなはずじゃない感じの自分に対してである。 電子ファインダーを覗く時、まず、アナログカメラの時には感じなかった混乱がある。…

卒業旅行とディズニーランドによせて

電車の中で、年若い男女の会話が聞こえてきた。 男子「卒業旅行、ディズニーランドに行きたかったけど、結局行かなかったなー」女子「ひとりでいけばよかったじゃん」男子「なんでだよ、一緒に行く女の子がいなかったら行く意味ないじゃん」 男の子は特にデ…

おしゃれな空間、場所の可能性

だいぶ前のこと。行きつけのコーヒー屋さんが混んでいたので、おとなしく順番待ちをしていた。その時に、前のお客さんが話していた内容が興味深かった。 「こんなに狭くてもおしゃれな空間が作れるのね」「うちの(注:文脈から察すると、故郷の田舎という意…

ワークショップで使う「色」のこと

ワークショップでは大人向け・子供向けによらず、よく「色」を使うと思う。しかし、色覚特性に言及が及ぶ場面は少ないなと思う。特に子どもに関しては、「色」が重要な意味を果たす場面が多いような気がしていて、そのあたりのケアを気にしながら見たりして…

骨は増やせる

薬局ののぼりとか、一行ポスター的なもの(なんて呼ぶのかわからない)って、面白いなぁと思う。ストレートと見せかけて意味不明なキャッチだったり、ドギツい色だったりダジャレだったり。 ある時通りかかった薬局に、「骨は増やせる」って書いてあった。骨…

気になる注意書きの変遷

携帯電話での通話はお控えください、という公共交通機関でのマナー喚起。いつしか当たり前のようにそういうものだと思っていて、言われなくてもある程度は配慮して暮らしている。 新しい文化に対する新しいマナー。そういうものが数えきれないほど生まれてき…

「白の遊戯」でのパフォーマンス体験

2013年11月下旬、「白の遊戯 White play-《白》への憧憬と虚無の感覚- Yearning to "white", and feeling of nothingness」のボランティアパフォーマーとして、演技に参加してきた。 作者はサウンドスケープの研究をされている岩塚一恵さん。参加の動機は…

レシピ、プロセス、体験

WSD 14期 ワークショップ Advent Calendar 2013 最終日のエントリです。 物事をデザインしていく過程は、新しいレシピを知ることに似ている。 レシピはあるプロセスを表した手順書である。それは体験の記憶でもある。レシピを知ればレシピを残すことができる…

アクセシビリティとコミュニティ、未来へのアプローチ

このエントリは Web Accessibility Advent Calendar 2013 - Adventar 24日目のエントリです。 ここまでちゃんとしたエントリが続いたが、今日はポエム。技術的なことでもなく、コンテンツのことでもなく、コミュニティに関するウェブアクセシビリティ・ポエ…

あらすじのこと

漫画の単行本には「あらすじ」があるものがある。長く連載が続いているコミックスなどに見られるが、私は子供の頃からそれが気になってしかたなかった。長くなると、まとめるのが大変なのではないかと。 3巻目は、1巻と2巻までの内容をまとめればよい。しか…

0+経験展 に行ってきた

千葉工業大学・安藤研究室の活動報告会、ゼロからできたはじめてのカタチ 0+経験展にこっそりお邪魔してきた。例によってこっそり。 この日の安藤先生の講演スライドはゼロからできたはじめてのカタチ〜UX デザインの研究とアプローチでシェアされているので…

業界で違う色の規格

クライアントとUIについて議論している際に、あまりきちんと意識してこなかった事実について考える機会があった。 ソフトウエアやアプリケーションを扱っていると、「緑は正常系や追加... /赤は異常系や削除...」というお作法を(意識的にせよ無意識的にせ…

「ヤマケン展2013 シメマス」に行ってきた

千葉工業大学・山崎研究室のデザイン展示発表会、ヤマケン展2013 シメマスのオープニングパーティにこっそりお邪魔してきた。こっそり。 新しいエネルギーって独特だなぁと感じた。思わず現場で以下のようにつぶやいたぐらいである。 若さとは暴力的なエネル…

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