電車の中で、年若い男女の会話が聞こえてきた。
男子「卒業旅行、ディズニーランドに行きたかったけど、結局行かなかったなー」
女子「ひとりでいけばよかったじゃん」
男子「なんでだよ、一緒に行く女の子がいなかったら行く意味ないじゃん」
男の子は特にディズニーが好きなわけではないのだな。思い出が作りたいだけなのかな。ならどうしてディズニーランドに行きたいって思ってたのかな。思い出づくりにディズニーランドを真っ先に選ぶ理由はなんなのかな。好きな女の子がディズニー好きなのかな。それとも目の前の女の子を誘いたいだけの口実なのかな。
はー、聞きたい。直接聞いてみたい。聞きたさ溢れ出る。
仮にディズニーランドに「おひとりさま用の価値」みたいなサービスが用意されたとして、彼のような人はそれを利用したいと思うのかな。それともやっぱり女の子がいないと意味ないって思うのかな。そもそもディズニーへの興味が出発点じゃないから「おひとりさま用の価値」なんてどうでもよくて、「目の前にいるのに誘いたくてもうまく誘えない女の子に対するソリューション」が欲しいのかな。
新しい価値を作ることと埋もれているニーズを掘り起こす作業は別のものだ。時折、一緒にされちゃってるなぁと感じることがある。どちらも意味のある作業だが、違うものだと意識しているのとそうでないのとでは、ビジネスのゴールに対するアプローチが変わってくると思う。
それにしても、卒業旅行かぁ。いいなぁ。私はといえば、電車に揺られ若人の会話を聞きながら、ひとりでこんなことばかり考えている。思えば遠くへ来たものだ。