WSD 14期 ワークショップ Advent Calendar 2013 最終日のエントリです。
物事をデザインしていく過程は、新しいレシピを知ることに似ている。
レシピはあるプロセスを表した手順書である。それは体験の記憶でもある。レシピを知ればレシピを残すことができるし、残されたレシピがあれば他人が再生産できる。レシピがあれば、完成図が想像しやすい。レシピがあれば、誰かにタスクを頼みやすい。レシピがあれば、協業も協働もしやすくなる。
そこにレシピ=設計されたプロセスがなければ、物事はめちゃくちゃにしか進まない。そういうことって当たり前のようだけれど、変化のない環境にしばらくいると、意外とあっさり忘れてしまう。時折、暴力的に記憶を呼び起こされることもある。
誰かとレシピを交換したり、試してみたり、そういうことができる機会をもっと増やせる世の中になればいいのになぁ。いいのになぁ、ではなく、自分がしていかないといけないのだなぁ、と思う。WSDの中で協働について学びながら、私が強く捉え直したことのひとつ。
レシピというものは、マニュアルとは違う。レシピ通りに作っても、人とは違うものになる。でもレシピ通りに作ると、最低限必要な工程は必ず通ることになる。それがいいのだ。その人の体験がにじみ出る、その人の味になる、というのがいい。
どこに、誰に、どんな時間の使い方で、そのレシピを手渡していきたいか。それはこれまでもこれからも自分次第。自分次第っていうのは酷な言葉だ。だって自分のすることが、すべて反映されるということなのだから。
酷だなぁ、酷だなぁと思いながら、2013年のアドベントカレンダーを締めようと思う。私のワークショップに参加してくれて、WSD参加を決めた人がいるという、ほんのちょっと現実社会にリーチできた出来事を、自分へのクリスマスプレゼントにしながら。
来年もいっぱい悩みましょう。そうしましょう。