蠍は留守です考

蠍の輪郭を見つめてふける思惟の痕跡

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Crafting Services - a Service Design Basics Workshop レポート

この記事はこまどりさん主宰の Service Design Advent Calendar 2018 12日目のエントリーです。

2018年12月8日・9日、Service Experience CampのファウンダーであるMauro Rego氏を講師に迎え、Crafting Servicesというワークショップが開催された。開催にあたってはService Experience GsKのメンバーがサポートさせてもらった。

せっかくなので簡単な参加ログをまとめておきたい。

サービスデザインの基礎とワークショップ作り

DAY1は、サービスデザインの基礎的な部分のレクチャーを聴いた。ビギナーにはまるっと学べる絶好の機会になる内容だったし、中級以上には要点を整理しながら自分の仕事や方法論を捉え直すチャンスになるんじゃないかな。コンパクトにまとまった内容はとてもわかりやすかった。

DAY2では、クライアントやステークホルダーと一緒に共創していくためのワークショップづくりが体験できる。このワークショップ部分がおもしろく、ユニークな点だと思う。先月Service Experience Camp 2018 に参加した際に、Crafting Servicesのエッセンスをちょっとだけ体験したのだが、そのエッセンスを方法論としてきちんと積み上げた形のセッションを体験できる機会がこんなに早く来てうれしい。

レクチャー中のMauro氏

レクチャーはiPad上のスライドを投影する形で行われるのだが、話の流れで出たキーワードをスライド上に書き込んだり、ポイントをマーキングしたり、Mauro氏が手元でビジュアルを付加していく。ディスカッションした内容がリアルタイムに反映されていくのは、目にも脳みそにもいい刺激。

Mauro氏はビジュアルシンキングに関する活動も行っていて、今週末にはVisual Thinking Workshopも行う。私はそちらも(純粋に参加者として)参加する予定なので、とても楽しみ。Mauro氏のスライド使いに触発され、その場にいた全員が「次はiPadでプレゼンしたい」と言っていた。私もしたい!

iPad上に表示したスライドに書き込みをしながらレクチャーを進める様子

ひとつ興味深かったことを挙げるとするなら、ワークショップを作るプロセスの中に、テンプレートを考える必要性を盛り込んであることかな。私は今まで、汎用性のあるテンプレートを作ることにあまり興味が持てずにきたのだけれど、今回はじめてそこに目が向いた。

テンプレートというビジュアライズされたタンジブルなツールが意味するものは、クリティカルな思考を誘導するフレーミングを的確に準備できているかどうか? という点だろう。サービスデザイナーが考えるツールとして、タンジブルであることは非常に重要かつ自然なポイントなのかもしれない。

方法論をタンジブルなツールに落とすという部分におもしろみを感じられるようになると、一皮むけるような気がするな。しばらくそこにフォーカスを当ててみてもいいんじゃないかな? という気持ちになっている。

ワーク中に作ったテンプレート

また、タイムテーブルを組み上げる際の進め方も新鮮だった。アクティビティーの最小コンポーネントを意識しながら、コンポーネント単位で組み上げていくようなイメージで、自分のいつものプロセスと真逆だった。

他のプロセスと比べることで、自分の思考の癖や無意識で踏襲しているプロセスに気付くことができたと言ってもいい。しかし、プロセスが真反対であるにも関わらず、最終的なアウトプットの形はほぼ一緒だったのがおもしろくて、めちゃくちゃいい棚卸しになった。

余白が許されたぜいたくさ

少ない人数で行うことができたため、余白が許された状態でじっくりと対話することができたのも、参加者にとっては貴重な機会になったと思う。少人数でこのレベルのレクチャーを受けられる場所自体が多くないし、人数が多いイベントであればあるほど余白は目減りしてしまう。

リフレクション中の様子

お互いの顔が見え、関係性が作れる状態で行うアクティビティーは、そうでないときよりもずっと集中できると感じる。レクチャーやワークショップのリフレクションのときも、ひとりひとり共有する時間を取ることができたおかげで、いろいろな視点から方法論を捉え直すことができた。

やっぱり話を聞くだけの大規模なカンファレンススタイルより、少人数のゼミのような雰囲気でアウトプットとトライを繰り返していく学びかたのほうが私は好きだし、心地いい。費用対効果やリターンを考えると、少人数のほうが圧倒的にぜいたくなんだよね。

もちろん規模の正義みたいなものもあって、大きいからこその価値もあるし、それはそれで享受したい。しかし大きいことは大きいところに任せるとして、小さく濃ゆくぜいたくな場をいかに紡いでいくか。それを考える立ち位置でいたいなぁと思う。

リフレクションの様子

参加者にもメンバーにも感謝

ぜいたくな場とはいえ、行き届かないところが多々あって参加者のみなさんにご不便を感じさせたと思うし、参加者のみなさんに助けてもらったことがたくさんあった。本当にありがとうございました。

ぜいたくついでに、サプライズお祝いも

GsKメンバーとして、この場を実現するために欠かせない役割を担ってくれた赤羽さん、実はこの日が誕生日だった。こっそりケーキを用意して、お祝い。そんなサプライズに快く乗っかってくれて、一緒に温かい空気を作ってくれたみなさんに、もう一度ありがとうございました。

赤羽さんの誕生日だったのでサプライズケーキでお祝い

ビジュアルシンキングのワークショップも楽しみ

Mauro氏の次のワークショップ、Visual Thinking Workshopもとても楽しみ。自分のiPadを使っていろいろするみたい。ドキドキ。

英語でのワークショップで頭がショートしそうになっていても、絵ならさらさらっと描けて、なんとなく伝わる。今回は英語で書く不自由のおかげで相対的に絵を描く気楽さが増して、ワーク中にテンプレートを作る際にもそれが影響した気がする。

まぁ、いつもの手癖で描くと、邪悪な生きものが生まれてしまうのだけど……。今回はそこまで邪悪じゃないパン屋さんが描けた。この1枚がいちばんお気に入り。袋に入っているのは食パンです。本当です。

ワーク中にふせんに描いた絵

ぬるぬるとまとまりのない記事になってしまった気はするけど、ログを残すか残さないかは大きな違いなので、ないよりはマシだね。

また折を見て、このワークショップの内容を思い返したり、得られたインスピレーションを他のことに振り向けたりしていきたい。そのときはもっと何かを掘り下げたり、意味のある解釈をしたりしたいな。学びは続くよ、ぬるぬると!

この記事はこまどりさん主宰の Service Design Advent Calendar 2018 12日目のエントリーでした。

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