2017年6月25日は、Xデザイン学校と林事務所共催の日台共創的跨國型服務設計工作坊、Service Design Workshop の2日目。1日目に行ったフィールドワークと分析を発表し、新しいサービスを考えてみるところまでがこの日の内容。
フィールドワークからサービスを考える一連の流れの中での細かいプロセスは、グループに委ねられている。どのグループも進め方を工夫して作業を進めていたが、グループごとの違いはとても興味深かった。
ひとつに、言葉の問題は大きい。日本語が得意な台湾メンバーがいるグループ、英語が得意なメンバーが多いグループ、言語の問題でコミュニケーションがスムーズにいかないグループ。ワークのプロセス以外にも工夫して乗り越えるべきことがたくさん存在した。
ただし、言葉が通じているから完璧というわけでもないし、うまく通じない部分を補い合うことを楽しんでいる人もいる。そこがまたおもしろいところ。
もうひとつ、前回も書いた粒度や縮尺をグループ内でうまく合わせることが重要に見えた。ズームを変えるときに起こるずれや違いを味わうことができれば、それをアウトプットに生かしていけるのだけれど、理解と納得が置き去りのままでフォーカスやズームを変えてゆこうとすると進捗自体が難しい。
図やモデルをうまく使ってズームインアウトを揃えているグループは、バランスのいいアウトプットができていたように思う。
最後、山崎先生の総評で、事象と概念を行き来する話が出た。フォーカスのピントをどこに合わせていくか、それはセンスでもあり訓練で身につけることができるものでもあると思うが、今回のワークショップはとてもいいエクササイズだったと感じている。
さらに重要だと思うのは、もっと自己・相互ともにリフレクションをしていく姿勢だと思っている。これはよくも悪くも先生方に求めていけることではない。限られたワークショップの中で得たことを、いかに自分の中に落としていくかという領域になる。
プロセスも観点も各グループに委ねられた部分が大きかったので、自分たち以外は何をしていたのか、自分たちのパターンと他のグループのパターンを集めてみると何が見えてくるのか、ひとつ外側から再確認することで、自分の中に落ちてくるもののレイヤーがひとつ上がる。
2日間に渡って、場に挙がった物事をグラレコ的にイラストで書き留めてくれるスタッフがいた。それをその場限りで終わらせるのではなく、今後あらためてのリフレクションに活用していくことが、記録をしてくれたスタッフへの最大限のお返しなのではないだろうか。
12月には、同じコンセプトのワークショップが東京で開催されることが決まっている。アンサー的なワークとして、今度は台湾メンバーを東京メンバーがお迎えする形になるというわけだ。それに向けて、視点をひとつブラッシュアップするため、今回の参加者がリフレクションする場を自主的に用意したいなぁ。みんなに声をかけて、実施してみよう。
重要なのはメソッドを器用にこなして褒められることではない、というのが私個人の考えだ。そもそも課題や問いひとつひとつの意味はなんだったのか。ワーク中に存在する事象と概念を行き来することと同じように、ひとつ大きな輪としてメタに捉えてみることだけが、自分の血肉になると信じている。