蠍は留守です考

蠍の輪郭を見つめてふける思惟の痕跡

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Service Design Network Japan Conference 2014 の話のようでいて、実はただのひとりごと

2014年9月14日、Service Design Network Japan Conference 2014(サービスデザインネットワーク・ジャパン・カンファレンス2014) に参加してきた。今回が2回目の国内カンファレンスで、「行動と組織のトランスフォメーション」がテーマだった。

第1回目も参加しており、 Service Design Network Japan Conference 2013 のこと、あらためてに残しているが、遠い昔のことのように思える。前回のテーマは「サービスデザインによるビジネスのリフレーミング」だった。

Service Design Network Japan Conference 2014

全体を通して面白く拝聴したけれど、なんとなく会場からは昨年ほどの熱量を感じなかった。単純にテーマだけを比べてみると、サイクルが早いというか、昨年に展開されたトピックをすでに回収するフェーズに入っているのかなぁという印象もある。展開が早いだけなのか、ビジネスおよびデザインという領域が広がりにある程度の限界点が見え始めているのか、なんてあたりも気になる。

パネルディスカッションを通じて感じたことは、オープンな対話の難易度が高い領域なんだろうなってところ。何を言ってもポジショントークになりそうな感じがあって、文脈のすり合わせをしているうちに時間がなくなっちゃうような。いや、ポジショントークするための場だったようにも見えるので、それはそれなんだけど。

ウチはウチ、ヨソはヨソ、みたいな部分も結構多くて、事例を読み解いたり考察したりする作業自体を主体的にクリエイティブに行わなくては、情報共有すらおぼつかない。それは扱っている領域の抽象度のせいなんだろう。パッシブに得られるものは少ないよね、みたいな。「ウチはウチ感」を持たずに「ヨソはヨソ感」から学ぼうと思っても、しんどさある。ここは各自のバックボーンが問われるところ。

だからやっぱり、このレイヤーを串刺しできる視点を持たないといけないのだよな。HCD-Netサロン「UXと組織のデザイン」の時に思ったこととだいたい同じことだから、そのあたりがきっともうトレンドになっているのかそのうちなるのかしていくのだろう。そしてイチ抜けしてる人はもうしてる足音すら聞こえる。

潮流の激しい世界の中で普遍性のようなものを忘れないためには、ある種の胆力が要るな。普遍的であることと、巡り巡って戻ってくることはまた別のことのように思えるから。上手に「ウチはウチ感」を育てていくために必要なことから育てていくしかない。

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