蠍は留守です考

蠍の輪郭を見つめてふける思惟の痕跡

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TOKYO DESIGN EXERCISE 第2回:「産地を次世代につなぐ」という実践

東京都が主催する講座「TOKYO DESIGN EXERCISE」。第2回目は、LOCAL STANDARD の大木さんのお話を伺った。LOCAL STANDARD さんは、「ここだからやらねばならないこと。ここだからできること。」を考える会社。現在「ワインツーリズムやまなし」の総合プロデュースを行っている。

配布資料の一部

地方にこそ人材が必要というお話と、デザインの力が大きいということが印象的だった。地方がデザインの力を利用することで、自分たちではできない客観的な情報として全国へ発信する重要性。デザインの力で点を線にして、線を面にする作業が大事なんだなと思った。

また、「至らず尽くさず」というコンセプトが素敵。ワインツーリズムは2000人ぐらいのお客さんに対して3人ぐらいで回しているのだそうだが、それでは当然至れり尽くせりなアテンドはできない。だから、ボランティアや地域の人の自発的な参加を力にしながら、お客さん自体が自発的に歩いたり交流したりする効果をうまく利用している。

それは「外から持ってこない」という意図ともつながっている。地域の中での消費力の還元、地域の人たちが稼ぐ機会の創出、それらを考えると、外のリソースに期待していてはいつまでも地域が自立できない。人材的にも経済的にも還元され、地域の中でお金が落ちて回るしくみが重要なのだ。

たとえば外からの視点を持ち込むことの大切さをおっしゃる人は多いし、私自身も最初のきっかけとしての持ち込みはあっていいと思う。きっかけはあくまできっかけとして、そこから何をつないでいくのかは、地域社会の中にいる人たちが動いていかないと未来につながらないのだろう。

「消費社会の末端だからこそ、改革を」「末端だからこそ先端になれる可能性を持っている」「厳しい環境に置かれているからこそ『進化』する(という気持ちで)」など、非常にアグレッシブな言葉のもとに地域の意識の変化を促す仕事。地域を次世代につなぐために何が必要かを常に問いかけている大木さんのお話が聞けて、なんとなく自分の次の一歩が見えた気がする。

見えただけでは仕方ないので、少しずつ形にしていきたい。


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