蠍は留守です考

蠍の輪郭を見つめてふける思惟の痕跡

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第3回Xデザインフォーラム「プレイフルな学びとオープンなデザイン」

2017年9月24日、第3回Xデザインフォーラム「プレイフルな学びとオープンなデザイン」に参加した。結論から言うと、全体を通してかなり熱量の高いすばらしい回だった! 情報デザインフォーラム/Xデザインフォーラムはいつもおもしろいが、個人的には過去に例を見ないほどの盛り上がりを感じた。

朝から夜までみっちり盛りだくさんだった内容、すべて書き残しておきたいところだが、この記事では主に午前中に行われた上田先生のワークショップについて書き残しておきたい。

プレイフルラーニングで世界をROCKしよう!

上田信行先生(同志社女子大学・教授)は、ワークショップをやる者ならその名前を聞いたことはないと言っても過言ではないほどの、レジェンド的な存在。まさにロックスターな上田先生なのだが、直接その魂に触れる機会はあまり多くない。

今回はいつもお世話になっている原田泰先生(はこだて未来大学・教授)と一緒にワークショップをされるということで、私にしては珍しくHP/MP全開、燃え尽き覚悟で臨んだ。

ワークショップ中に感じていたこと

ワークショップは身体と心をひらくところからはじまる。上田先生のハードかつプレイフルなファシリテーションで、まずは思いのほか速い上昇気流が生まれたなという感覚をおぼえた。

このタイミングで「ちょっと馬鹿馬鹿しいな」なんて斜に構えていると、場に生まれるクリエイションの波に乗り損ねてしまう。そんなスピード感でうねる熱気が見えてくる感じ。場の上昇気流をつかまえて、そのままレゴのワークに入っていくことができた。

30メートルのロール紙の上に積まれた各グループの高積みレゴたち

そもそも私のパーソナリティーを知っている人は、私がそういう熱狂にほいほいと乗りたがらないタイプの人間だということを知っているだろう。そのとおり。そんなことをしたら、あっというまにMPが枯渇してしまう。

しかし、波に乗り損ねてつまらないのは自分自身。気分は Go for Playful。自分自身の創造性を高めるためには、自分自身の状態をコントロールする訓練が必要。最近はそのあたりのテンションコントロールを特にがんばっている。かなり努力している。かなり、かなり、だ。本当にがんばっているのだ。

積み上がったレゴと作業している人たちを少し引いたところで眺める

レゴのワークのリフレクションでは、メタ認知と言語化の重要性を再認識。そして言語化したいというモチベーションを常に高めておく場の熱気というのが、ボキャブラリーや可視化のスキル以前にすごく重要だなと感じた。

溢れてこぼれてくるものを目に見える形にしてあげる在りかたと、空っぽな中から絞り出してこすりつけてやっとやっと見えるような在りかたでは、浮かび上がるものが変わってくる。

人をこんこんと湧く泉のような状態にすること。つまり内発的な動機を高めること。頭ではわかっているつもりであったことを、身をもって再体感したのが、今回ひとつの大きなポイントだった。

積んだレゴの下に書き込まれたリフレクション内容

レゴのあとは、Scratchでのプログラミングを身体で考える、というワーク。これは本当におもしろかった。身体感覚と概念のつながり、そして逆説的に身体性の限界みたいなものに気付かされたからだ。もしかしたらワークの本題とは違うのかもしれないが。

コンピューターになりきって命令文通りに動いてみるというのは、簡単なようでかなり難しい。冷静に考えてみると、実は命令文を考えるのはそんなに難しくないのだ。そしてつい命令文を考えることに熱中し、身体でやってみることの意味を忘れてしまう。

Scratchの命令文を考えるグループメンバー

このワークの本題とは違うかもしれないと先ほども書いたが、それでもやはり私は「身体でやってみてできないときにどうするか?」のその先を考えることに意味があるような気がしてしまう。

このあたり、すでにプログラミングのやり方がHowとして頭に入ってしまっていると、なかなかクリアに見ることができない。九九を暗記していると答えがすぐに出てくるのと同じことが起こる。

知っている答えを当てはめるのは速い。確実だ。効率がいい。しかし、その先にあるもの、誰も知らないかもしれないものをどう捕まえていくか。そのことについて改めて考えるきっかけをもらった感じ。だから、Scratchでのプログラミングを身体で考えるワークが「おもしろい」と感じた。

上田先生(写真右)と原田先生(写真左)のまとめのお話

ワークショップが終わったあとに、まとめのお話の時間があった。お話を聞きながら、目の前に余白のある模造紙があると、ついつい書き込みをしてしまう癖が出る。

以下は先生のお話を聞きながら描いた、自分メモ。先生方のお話と自分の脳内をミックスして描いてある。他人が見てわかるようにはまとまってはいないので、雰囲気だけでも感じていただければ。

まとめの話の途中で夢中で描いた山岸のメモ

この日はグラフィックレコーダーの和田あずみさんと同じグループだったのだが、隣を見れば当然のように彼女も描いている。あずみさんのグラレコはさすが本職だけあって、構造もトピックもしっかり押さえてあり、グラレコとして高い完成度。尊敬。

以下があずみさんが描いていたもの。誰が見てもお話の内容がわかる仕上がり。

まとめの話の途中であずみさんが描いたグラレコ

今思い返すと、2人で並んでがりがり描いていたの、ちょっとおもしろいなと思った(笑)。

私は客観的なグラレコがどうも苦手で、主観や自分の解釈を交えながらでないと手が動かない。なのでグラレコをメインにするキャリアは選ばずにきた。解釈を交えてもOKなファシリテーションの場では、時々描いたりもするのだけど。

苦手とはいえ、描くのが嫌いかといえば嫌いではない。むしろ描かずにはいられない。描かずにはいられない気持ちにさせる場があるということは、すばらしいことだなと思う。

この日に学んだこと

上田先生のワークショップを通じて、いろいろなことに改めて気付かされた。その中でも、強く感じたことが1点ある。それは、自分の状態次第で受け止めるものや新たに生まれる何かの総量がやすやすと変わってしまうのだなということ。

踊る阿呆に見る阿呆とはよく言ったもので、成果を出すにはまず実践しなければはじまらないし、実践につなげるにははじめるに有利なマインドをセットしておいたほうがいい。いつも戦闘態勢でなくてもいい。場の気流に乗り遅れなければいいのだ。

私自身は、午前中のワークショップでMPが完全枯渇。午後からの流れはHPだけで乗り切った。しかし限界ギリギリを攻めたおかげか、ちょっとだけレベルアップしてMPキャパが広がった感覚もある。

ポスター発表も収穫多し

この日の最後にはポスター発表も行ったのだが、つまりそのポスター発表もHPだけで乗り切った。防御魔法なしで丸裸で突っ立ってる感じがたまらなくヒリヒリしたけれども、みなさん好意的に相談に乗ってくださったり、フィードバックをくださったり、あたたかくご指導いただいたおかげでなんとか乗り切れた。

発表内容については別記事でまとめているので、そちらを見ていただけるとうれしい。

 


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