蠍は留守です考

蠍の輪郭を見つめてふける思惟の痕跡

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Xデザイン学校公開講座:クリエイティブファシリテーションを考える

2017年10月23日、「Xデザイン学校公開講座:クリエイティブファシリテーションを考える」というイベントに登壇してきた。ミッドタウンにある武蔵野美術大学デザイン・ラウンジでの開催ということで、妙に緊張。

登壇と言っても話題提供という位置付けであり、何かの答えをオーディエンスに示す役割ではない、という心づもりで臨んだ。Xデザイン学校公開講座自体が「参加者も一緒に考える」というコンセプトを持つ。つまり、答えのないこれからの重要事項を一緒に考えていくための主観提示をさせていただいたと捉えている。

発表内容

私の発表内容は、クリエイティブファシリテーションという言葉が持つ周辺の要素について、ざっくり考えてみるという内容。このあたりは今年の8月に行った千葉工大での講義とかぶる内容が多いのだが、もう少し実際のプロジェクトに寄せた内容にチューニングして整理した。

クリエイティブ・ファシリテーションの定義について話しているところ

持ち時間の都合上、細かい前提共有や個々の事例の提示などはできなかったが、プロジェクトのコンディション、リアルタイムで陥る状況などを分けて考えてみることで、様々な背景を持つ方々それぞれに当てはまるキーワードが提示できたのではないかなと思っている。

マトリクスを用いて状況説明をしているときには、参加者のみなさんが自分に当てはまるエリアの話で首を縦にぶんぶん振ってくださったりしていて、熱心に聞いてくださっているのが伝わってきた。本当にありがたい。

プロジェクトのコンディションについて話しているところ

他の3人(宇田川さん、山崎先生、浅野先生)の話題提供も三者三様で、誰ひとり同じことを言っていないのがよかった。4人とも言いたいことを言いっぱなしで結論らしい結論を出さない。思考停止せず考えていくためのきっかけにする。賛否両論あるスタイルかもしれないが、私にとってはそんな感じが心地いい。

本当はもっと、参加者のみなさんがどんなことを思ったのかなぁとか、どんな疑問を持っているのかなぁとか、いろいろお聞きしてみたかったところ。でも、会が終わったあとに何人かのかたが感想を伝えにやってきてくださって、とてもうれしかった。

使用したスライドはこの記事の最後でシェアしているので、ご覧ください。

トークセッション

こちらも質問に対して四者四様の答えを自由に返していた。前提共有の弱い抽象的な話をするのは誤解も生みやすいし言葉を選ぶのが難しいのだけれど、それでも考えをシェアすることには意味がある。

珍しく浅野先生が「うーん」と考え込む場面なんかがあって、心の中でニヤリとしてしまった。先生方ですら答えを持っていないことを話しているんだから、みんな自由に話せばいいよねと思う。

トークセッションで私が話しているところ

登壇者のひとりである宇田川さんが壁に書きながら話をはじめたのもすてきだった。宇田川さんはとってもフレンドリーな雰囲気で、いらっしゃるだけで場が和やかになる感じがする。

こんなウェルカムな雰囲気を持った方がファシリテートする場は、きっとすてきな場になるのだろう。ぜひまた別の機会にご一緒したい。

宇田川さんがホワイトボードに書きながらお話しているところ

ほんの短い時間のセッションだったけれど、その中からいただいたインスピレーションがたくさんあった。またコツコツ蓄積して、何かの形で還元できればいいな。

Xデザイン学校の受講生として、こういう機会をいただけることは大変ありがたい。「何かを受講する/教わる」というスタイルではなく、「貴重な機会を増やしてもらえる」という在りかたはおもしろいなぁと思っている。Xデザイン学校の最大の魅力はそこじゃないかな?

当日使用したスライド

当日使用したものから、一部修正を入れてある版。内容自体は変わっていない。

もしこちらのスライドに興味を持たれたら、合わせて「What is Creative Facilitation? クリエイティブ・ファシリテーションを考える」と「Re-feeling Facilitation! Workshop ファシリテーションを感じ直すワークショップ」もオススメします。


参考URL

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