蠍は留守です考

蠍の輪郭を見つめてふける思惟の痕跡

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Cross-Cultual Workshop 2017 in Hsinchu

2017年6月22日、台湾清華大学で行われた台中交流工作坊、つまり台湾と日本の学生による Cross-Cultual Workshop に参加した。ワークショップが行われた台湾清華大学は、新竹市にある。特に工学系に強い大学だそうで、サービスデザインラボを持っていることでも知られている。

今回のワークショップのホストは Service Design Network Taiwan のメンバーでもある Arthur Yeh 先生。ワークショップの内容は清華大の学生たちが企画したもので、千葉工大の学生たちが加わった交流ワークショップとして行われた。他に NTU INSIGHT のChung-Ching Huang 先生と千葉工大の山崎和彦先生が参加した。

ワークショップ開始前の様子

最近はグループ活動の観察と分析を自分のミッションにしているので、私自身は一緒に作業をするのではなく、4グループの活動を観察することに徹した。

アーサーのサービスデザインラボは靴を脱ぐスタイルになっている。天井が高くないぶん、目線を下げることで環境を変え、くつろいだ雰囲気や開放的な空間を作っているのだそうだ。

ふせんを使ったり、ジャーニーマップのフレームを使ったりすることは国が変わっても共通だが、フレームに落とし込んでいくまでのプロセスは4グループすべて違っていて、それぞれの学生のアイディアで作られている。積極的にメソッドを考えていく姿勢は見習いたいし、それぞれのプロセスからたくさんのヒントをもらった。

ワーク中の様子

ワーク後、ファシリテーションを行った台湾の学生たちが口々に言っていたのは、沈黙をどう打ち破るのかということだった。台湾の学生は思い付いたことを積極的に発言し、沈黙が起こることは稀だというが、日本人は学生に限らず沈黙しがちであるから、彼らの戸惑いはよく理解できる。

ワーク後のリフレクションで印象的だったのは、アーサーが「文化交流の難しさや可能性について振り返るとき、言語に関する問題は除外するように」と言ったことだった。ともすると、言葉が通じないことや不自由であることに原因を集約して、本質的なことまで思考を落とさずに終えてしまうことがある。そうではない点に着目させようとしたアーサーの言葉にはとても共感した。

ワーク中のコミュニケーションは英語が用いられた

個人的に思うことは、伝えようとする姿勢と受け止めようとする姿勢を持つことが大事だということ。当たり前のようだが、ときにそれは難しく、あきらめてしまいがちになる。あきらめないこと、何をするにもそれを肝に命じた。

懇親会での会話もとても楽しかった。デザインを学ぶ・実践するうえでの悩みについて、台湾と日本のインフラの違いについて、若い世代の感じる課題感について、政治について、語学についてなど、様々なことを語った。おしゃべりが楽しすぎて、アーサーが焼いてくれるピザを何度も食べ逃してしまったくらい。(余談だが、アーサーのピザは絶品で、お店を出せばいいのにと思えるくらい美味しかった!)

ワークショップ中の場をパノラマ撮影したもの

全体的な感想をいえば、今回接した清華大の学生は、クロスカルチャーについて普段からよく考えているのだろうという印象を受けた。日本の若い世代とも似た価値観を持ちながら、もう少し広く自分の状況を見ているように見える。

もっと世界中の若者の話を聞きたいなぁ。今回のような機会をもっとたくさん持てるように、今後もコツコツと活動を続けていこう。

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