少し前、6月半ばに長谷川恭久さんの運営するPodcast、Automagic にお呼ばれして、おしゃべりをしてきた。そのときのおしゃべりは、#169 のアーカイブで聞くことができる。
ワークショップ、デザイン、コミュニケーションなどをキーワードにおしゃべりをしたのだが、内容についてここで語ってもしかたがないので、興味がある方はぜひポッドキャストのほうで確認していただきたい。
あと、うれしいことに感想のブログを書いてくださった方がいるので、『【まとめ】デザイナー向けpodcast「automagic」の第169回を聞いて、ビンビンきた発言をまとめる - SUKEMATSU.NET』も合わせてご覧いただくとよいかと。
こういったおしゃべりに呼んでもらうことはめったにないので、気の利いたことはあまり言えてなくて、そもそも呂律が回っているかもあやしいところなのだが、私自身は楽しくおしゃべりさせてもらった。
ざっくりした感覚へのフィードバックがありがたい
SUKEMATSU.NET でまとめていただいている中で
意図的に抜粋の中で「ワークショップ」という言葉を外すだけで、内容としてはもしかしたらワークショップ主催者向けだったかもしれないpodcastの内容が、実は普段の業務の中で意識したいことになる気がします。
と書かれていたのだが、私自身は「ワークショップ主催者向け」みたいな枠組みを意識していなかったので、感じてもらったとおりのことをおしゃべりしていた感覚である。
上記のような感覚で日々過ごしていると、わりとよく言われるのが、「何をしている人かわからない」というセリフだったりする。世間では、ジャンルを特定したり、専門分野を限定したりすることがよしとされる局面がある。私のようにざっくりした感覚で生きている人種は、得体の知れない異分子に見えるのかもしれない。
それはそれで構わないのだけれど、もう少していねいに自分の考えややっていることを説明することも必要なのかもしれないな、と思う。特に仕事上ではそれを求められているのだが、なかなかうまくいっていない。というか、腰が重い。説明材料を持っていないわけではないので、そこはちゃんとしていかなくちゃなぁ。
なにはともあれ、Automagicを通じて、こんなふうに捉えてもらえるんだというフィードバックを(間接的にではあるが)もらえたのがありがたい。お誘いいただいたヤスヒサさんにも感謝。
自分が何のための変数であるか自覚すること
おしゃべりの中で、「変数」という言葉を使った。
私のミッションのひとつに「人と人の活動を増幅させる」というものがあるが、「活動」に当たるものはたくさんある。だから答えはひとつじゃない。増幅させるべき対象が「コミュニケーション」なのかもしれないし「クリエイティビティ」なのかもしれないし「場の熱量」なのかもしれない。
何に向き合うかで、自分がどういう変数なのかが変わる。周りが変わることを求めるより前に、自分を変数として捉えることで変わるものがある。逆に、周りに変わってほしくなくても、どんどん変わっていくという現実もある。
デザインという言葉のもとで人と人の活動を最大化するためには、決まった個体が泳ぐだけの水槽を超えて、さまざまな変数が出会う広い海が必要なのではないだろうか。
私はデザインという行為を特別な行為だと思っていないふしがある。それはきっとデザインという言葉を広く捉えすぎているせいで、あえて意味を限定したくない気持ちの表れでもある。
仕事やスキルの専門性という意味では、デザインの範囲を切り取って名前を付けることが有効な場面も多い。けれど、それぞれの専門性を用いてどんな行為をなすのかという場面においては、デザインという言葉は広い意味を持っていていいのではないかと思うのだ。
そんな思いもあって、私はゆるふわなデザイン論、ゆるふわなコミュニケーション論で生きてゆくことにしている。ここはノンポリと呼ばれても致しかたないレベルでゆるふわだ。
ただひとつ、これはコアだと言い切れる専門性は「人と人の活動を増幅させる」こと。それを支えているのがHCDにもとづいた知識と経験であり、ワークショップは典型的なツールのひとつなのである。そしてもちろん、それがすべてではなく、適していると思えばどんなツールや手法を用いてもいい。