話しているうちに、輪郭を与えてくれる人がいる。
そんな人は、そうそう多くはいない。話すことで自分の中で整理が付くことはよくあるけれど、自分をくるむ触媒をくるくるとかき回してくれる人は稀である。しかし、確実に存在する。
断片化してしまった思考、もともとつながりがないはずだった思考が結び付いて、やんわりとした流動的なかたまりを作ったり、ほんのり光を帯びたりしはじめる。自分の中に今まで思いもよらなかったものの輪郭が立ち上がってくる時、そこに対話の喜びを見出すことができる。
ざっくりとしたおしゃべりも好きだけど、自分の思考や葛藤に輪郭を与えてくれる人との対話が何よりも好きだ。そんな時間を、今も楽しみにしている。