話し合ったり思いを口にしたりすることで、カタルシスが得られることがある。
実際に持ち寄った話に結論が出ようと出まいと、話し合ったことによる達成感によって小さくガス抜きされ、アクションを起こすことを忘れてしまう。アリストテレスが説いたカタルシスというよりは、メンタルヘルス的な意味合いの、カタルシス効果という感じで。
しかし、それは井戸端会議とまるで一緒で、何もしていないことと同じなのではないか。時々そんな風に思って、ドキッとすることがある。
議論で何かを決めていくことがすべてだとは思わない。井戸端会議だって楽しい。他愛もないおしゃべりも、私はとっても大好きだ。
だけど、自分のうちで思考や思いを熟成させるという行為の先に最高の解放を得る瞬間があるのだと思うと、すこしぞくぞくする。
その瞬間を共有できる相手が自分の周りにどれだけいてくれるか。たくさん友人知人がいても、そんな相手がいないのであれば、生きる楽しみは半減してしまう。私にとっての友人とは、自分のうちを解放する瞬間を共有できる存在を指しているのかもしれない。
