ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズさん所属の友人から勧められて読んだ「プロジェクトを変える12の知恵 -ケンブリッジ式ファシリテーション-」、その後ありがたくもご恵贈いただいた「プロジェクトファシリテーション」の2冊を紹介したい。
本書からいくつかキーワードを抜き出して紹介すると、「ノーミング・セッション」「グラウンド・ルール」「セッション・プラン」「80・20」「イエローフラッグ」「タイムアウト・ルール」などがある。どの項目についても、かいつまんでわかりやすい説明が並んでいる。
「ノーミング・セッション」については、タックマン・モデルの5段階概念のうちのひとつ、「ノーミング(Norming : 統一)」を抜き出して重要視している点が面白いと思った。概念についてだらだら説明することなく、ケンブリッジではこうしてるし皆もこうするといいんじゃない? という潔い説明になっている。概念主義の人から見れば物足りないだろうが、手っ取り早く参考にしたいなぁという人には手軽でよさそう。
また、タイトルの印象と内容が一致していて気持ちよかった。モデルや概念を自分たちの体験事例を交えて紹介するスタイルは、まさに「知恵」の伝授という感じがする。個人的には本筋から離れて、「他者に『知識』を与えること」と「他者に『知恵』を授けること」の違い、みたいなところまで考えさせられた。
プロジェクトと言うと大袈裟に聞こえてしまうが、これらの本に書かれていることをちょっとくだいて考えれば、日々のすべてのことに応用できる。会社の仕事から町内会の話し合いまで、幅広く参考にできる「知恵」をつまみ食いする感覚でもいい。プロジェクトとかいうと大袈裟すぎて自分には関係ない…と思っている人ほど、気付きは大きいと思う。