蠍は留守です考

蠍の輪郭を見つめてふける思惟の痕跡

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TOKYO DESIGN EXERCISE 第4回:ライフスタイルを編集する

東京都が主催する講座「TOKYO DESIGN EXERCISE」第4回。CLASKA Gallery & Shop "DO" のプロデューサー・大熊健郎さんが講師の回だった。インテリアショップIDEEに14年勤務した後、全日空の機内誌「翼の王国」の編集者になられてるというのが面白い。

CLASKAのコンセプトは「Contemporary Japanese」なので、今の暮らしや時代の気分から日本を見るという視点を大事にされている。「店づくりは編集作業」、「編集とは新しい関係性を見出し提示すること」、「関係性の構築が今の仕事=編集作業」というふうに、「編集」とは何かみたいな話も多く出た。

このあたりの話って、以前フィルムアート社の津田さんのトークでも似たようなことを聞いたなぁと思って聞いていた。編集っていうのは「第一次的創造」から「第二次的創造」へ、できたものを再創造する行為なんだって。意味の持っているインパクトを最大限伝えるために意訳であり、第四人称の創造行為とも言っていたな。

津田さんは不調和を高度な機能にまとめ上げる機能を持つ人たちを編集者と呼ぶけれど、人は生まれながらにしてすでに編集者であるとも言っていた。大熊さんのおっしゃることも同じなんだなぁと思う。

あとは、communicative なもの(話題性、共感、つながりやすさを持つもの)をどう利用・活用するかの話もためになった。「実はモノそのものの良さよりも、わかりやすさで買うことがある」という、ある種の人たちが聞いたら怒りそうな話。

ここまでの3回は消費のしかたを見直すような話も多かった。この回は消費そのものを見つめて、今の消費の形に寄り添っていく視点みたいなものが見えたように思う。生産と消費は対になっていたりいなかったりするのだろう。なんかそのへんが薄ぼんやりと見えたような。見えない、ような。


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