蠍は留守です考

蠍の輪郭を見つめてふける思惟の痕跡

20170509013806

HCD-Net「理解のデザイン」

先日、HCD-Net のセミナー「理解のデザイン〜コミュニケーションをデザインする〜」に参加してきた。コンセント長谷川さんのこの分野のお話が久しぶりに聞けた。

内容については自分なりに刺さったことを挙げるだけに留めたいが、まず一点は「人は見えるものしか見えない」という事実について、改めて捉え直したということ。いつも心に留めているつもりなのだが、再度、深く。

受け手側に存在する習熟化の過程から見たコンテクスト、情報探索行動におけるコンテクストなど、種類の違うコンテクストをきちんと把握しないといけない。それら受け手の状況を見極める眼力は、やはり訓練しないとなかなか身に付いてこないと実感する。

長谷川さんの講義

それ以上に刺さってきたのは、「正確さとわかりやすさは対局にある」ということ。正確さを放棄するとわかりやすさが生まれ、わかりやすさを追求すると正確さが失われる。このことには、何をするにもいちいち直面している気がする。

今何をどんなふうに伝えるべき局面なのか。これって別に情報設計とかIAワークの話じゃなくても、チームのコミュニケーションやらドキュメンテーションの場でも普通に起こること。情報の詳細度に対して、どうズームイン・ズームアウトしたりするのが効果的なのか。ここのところ抱えている課題のひとつなので、上手く現場仕事に落とし込むのを目標にしたい。

最後に、これは特に自分の立場として思うことなのだけれど、HCD-Net という場でセマンティックWebとかメタデータ、schema.org などについて語られたという面白さがあった。ようやくいろいろなことがつながり出しているってことなのだろうか。いや、もうずっと前からつながっているはずなのだ。それがビジネス的にわかりやすく必要とされるようになってきたってことなのかな、と捉えている。

Copyright © Hitoyam.