少し前に、選挙事務所はアジャイルだしスクラムだねという話をしていた。きれいに当てはめることはできないのかもしれないが、そういうことなんだなぁと、すごく腑に落ちている。
ごく若い頃、いろいろな縁あって某選挙戦の舞台裏、いわゆる選挙事務所の動きを覗いた経験がある。その時に思ったことは、選挙はお祭りだなということに尽きる。選ぶ方はそうでもないけど、打って出る方の熱気や高揚感は正直こちらが当てられそうなほどすごい。文化祭前夜が毎日続く感じ。
その時はすでにインターネット有名人みたいな人達がちょろちょろ暗躍したりしていて、ちょっと先の将来の政治や選挙というのはどんな世界になってしまうのだろうかと、不安ニュアンスが大きい気持ちで見ていた。特に発言の機会があったわけでもないし、ひたすら「おばかちゃんです」という顔して話だけしっかりがっちり聞いていたものだ。懐かしいな。
その中で、人をたらしこむ人のテクニックをたくさん見た。今になってその感じを表現するならば、あれはスクラムマスターの役割だ。選挙事務所で繰り広げられる連日のデイリースクラム。スクラムを極めたい人は、選挙事務所の裏方に行くといいのかもしれない。もしくは、自分のスクラムチームで選挙当選できるかどうか、シミュレーションしてみるのもおもしろいかもしれない。
もちろんこれは個人の見解だし、思考実験みたいなものだと思って聞き流してもらえればいい。なんで今こんなことを言い出しているのかといっても、現在の都知事選とは一切関係がない。
最近、その時に感じた雰囲気にすごく近いものを持った人に接する機会があった。そしてその人は、よく考えたらアジャイルの人なんだよなと気付いた。どんな世界でも、誰かを巻き込む求心力というのは、共通するものがあるのかもしれない。